ITストラテジスト試験・午後Ⅰ答案を開示請求してみた

基本情報技術者

はじめに

初めまして、Wiseです。(私のプロフィールはこちら

私は2024年4月開催のITストラテジスト試験(IPA)を受験し、実務経験なし・完全独学で合格しました。

この記事では、開示請求した午後Ⅰ答案をIPAの解答例と比較して簡単に分析してみたいと思います。

ITストラテジスト試験の合格体験記はこちら

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開示請求とは

情報処理技術者試験では、個人情報に関する開示請求を行うことができます。

開示請求を行うことで、問題毎の点数部分を除いて答案を開示することができます。

こちらのブログ記事を参考に請求してみました。

 

答案用紙

こちらが開示請求した生の答案用紙です。(字が汚くてすみません)

ITストラテジスト試験午後Ⅰ答案

ご覧のとおり、問題毎の点数は黒塗りにされて見えないようになっています。

令和6年度の午後Ⅰ試験は70点でした。

答案分析

問1

設問1⑴

答案

A経済圏への顧客囲い込みを強化することでA経済圏の確立を目指す戦略

IPA解答例

デジタル空間において、A経済圏への顧客囲い込みを強化する戦略

 

多少ズレはありますが、「A経済圏への顧客囲い込みを強化」というキーワードは盛り込めています。

 

設問1⑵

答案

①申込みから利用開始、決済までを全てスマートフォンで完結できる利便性
②加盟店の店頭取引に専用の決済端末を必要としない利便性

IPA解答例

①QRコード決済サービスで大きなシェアを獲得していること
②銀行、証券、保険などの金融サービス機能を傘下にもつこと

 

解答がズレてしまっています。おそらく得点出来ていないでしょう。

 

設問2

答案

ア手数料負担の廃止
イ入金の早期化

IPA解答例

ア手数料の無料化
イ入金の早期化

 

これは満点解答とみて問題ないでしょう。

 

設問3⑴

答案

①顧客生涯価値が高いことを期待できるため
②生活防衛や資産形成に潜在的な関心があるため

IPA解答例

①顧客生涯価値が高いから
②生活防衛や資産形成に潜在的な関心があるから

 

こちらも満点解答と判断して問題ないでしょう。

 

設問3⑵

答案

ア顧客の志向に沿った生活防衛や資産形成を提案するため
イ契約の都度必要な契約書の提出や本人確認書類の郵送の煩雑さを軽減するため

IPA解答例

アAIによる分析に基づいた資産形成を、利用者の志向に沿って提案するため
イ利用者がAアプリ内の契約手続で利用できるようにするため

 

アでは「AIによる分析に基づいた」というキーワードを逃してしまいました。
イでは言いたいことは同じなのですが、もう一歩踏み込んだ理由を書くべきでした。

 

設問4⑴

答案

Aアプリ内で共通通貨として多様な決済にAポイントを利用可能とするため

IPA解答例

Aアプリ内で、多様な決済にAポイントを利用できるようにするため

 

こちらは満点解答で問題ないでしょう。

 

設問4⑵

答案

あらゆる金融サービス機能をデジタル空間で統合するという構想

IPA解答例

継続的なサービスの追加に対応し、サービス機能を順次追加する構想

 

答案ではスケールが大き過ぎる構想を書いてしまいました。もっと現実的な構想で良かったのですね。

 

問3

設問1

答案

教育が行き届いた仲居中心の利用者に寄り添った接客サービス

IPA解答例

教育が行き届いた仲居を中心とした利用者に寄り添った接客

 

ほぼ解答例どおりで満点かと思います。

 

設問2⑴

答案

従業員の補充は思うように進まず、今後の見通しも立っていない状況

IPA解答例

従業員の補充が思うように進まず、今後の見通しも立っていない状況

 

こちらも満点解答ですね。

 

設問2⑵

答案

①接客に使える時間を増やせる点
②若手仲居を育成する時間を増やせる点

IPA解答例

①接客業務に使える時間が増やせる
②若手仲居を育成する時間を確保できる

 

こちらも満点とみて問題ないでしょう。

 

設問2⑶

答案

家族と長期間宿泊したいが、費用は抑えたいというニーズ

IPA解答例

費用を抑えつつ仕事をしながら家族と長期間宿泊したいニーズ

 

「仕事をしながら」という要素が抜けてしまいました。

 

設問3⑴

答案

ベテラン仲居が暗黙知として保有するノウハウを形式知化できるため

IPA解答例

ベテラン仲居が保有しているノウハウを形式知化できるから

 

こちらは満点解答でしょう。

 

設問3⑵

答案

同伴者のライフイベントの情報を蓄積、管理して接客情報として用いるため

IPA解答例

適切なタイミングで利用者に向けてプロモーションを行うため

 

解答がズレてしまいました。ほとんど得点にはなっていないでしょう。

 

設問3⑶

答案

他の清掃係の状況を把握し支援に回るため

IPA解答例

時間の余る清掃係を支援に回すため

 

自動詞と他動詞の違いはありますが、内容はほぼ同じかと思います。

 

設問3⑷

答案

接客情報に要配慮個人情報が含まれ得るため

IPA解答例

要配慮個人情報を適切に管理するため

 

キーワードは盛り込めていますが、もう一歩踏み込んだ理由が必要でした。

 

設問4⑴

答案

B旅館の伝統と格式を感じさせる雰囲気に合わせること

IPA解答例

伝統と格式を感じさせる雰囲気を守るため

 

満点とみて問題ないでしょう。

 

設問4⑵

答案

インカムからタブレットを経由して音声入力できる機能

IPA解答例

音声を社内チャットとして登録する機能

 

表現は少し違いますが、言いたいことは同じかと思います。

 

まとめ

このように生の答案と解答例を比較してみると、総得点の70点という点数が妥当な気がしてきます。

開示請求の手続きは面倒ですが、生の答案を入手できれば分析に活用できるためオススメです。

午後Ⅱ答案も開示請求して入手しているため、後日改めてそちらの記事も書きたいと思います。