【マーケティング】Z世代の世代観に関するまとめ
はじめに
Z世代は、1997年から2012年までの間に生まれた世代を指します。彼らはデジタル技術とソーシャルメディアの急速な普及の中で成長し、独自の特徴を持っています。
数年後に市場の主役となるZ世代を知ることは、ビジネスにおけるマーケティング戦略を考えていく上で重要であるといえます。
この記事では、Z世代の世代観に焦点を当て、その背後にある理由に迫りたいと思います。「Z世代とは何かざっくり知りたい」「Z世代が考えていることを知りたい」「Z世代をターゲットとしたビジネスを考えている」という方におすすめの記事です。
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Z世代の特徴
「世代」とは、「大まかに同じ成長過程の段階で類似の社会的・技術的・文化的な出来事を共有し、そのために予測可能性が高いグループの区分」と定義できます。
Z世代の特徴は、インターネットやスマートフォンなどのテクノロジーに囲まれて成長し、情報を瞬時に得ることができる環境で育った「デジタルネイティブ」という点が挙げられます。これにより、彼らの世代観は前の世代と比べて大きく異なることが分かります。
友人観
Z世代の友人観は、緩やかなつながりを重視する傾向があります。リアルと同等かそれ以上にオンライン上でのコミュニケーションを大切にし、SNSなどを通じて友人と繋がることを好む傾向が見受けられます。リアルタイムな情報共有や感情表現が、彼らの友人関係において重要な役割を果たしています。
価値観が揺らぐ社会だからこそ、Z世代はシーンやメディアに応じて複数のコミュニティを渡り歩く「緩やかなつながり」を重視しています。SNSも複数アカウントやグループに応じて「色んな自分」を使い分けています。
飲酒については、「酔っぱらっていいことは一つもない」と考え、酔っぱらうより前に「酔っぱらったらどうなるか」を考えてリスクヘッジする世代です。その背後には、自己責任&自助論や、「失敗したくない」「周りに迷惑をかけたくない」という思いがあります。行動するより前に結果を考えるコスパ志向が強く、飲酒はコスパに合わないと考えるZ世代が多いということが分かります。
恋愛観
恋愛においては、Z世代はオープンなコミュニケーションを重視します。コミュニティ内では情報を開示して、ゆるくつながり、もやっとした関係性を求めることで、「秘密・親密・厳密」を嫌う傾向にあります。
秘密を嫌うのは、裏があることを「汚い」と思う世代だからです。コンプライアンスが重視される社会で育ってきたため、自分たちはルールを守ろうとする真面目な世代です。そのため、裏でルールを犯す人を見つけると許すことができず、SNSなどで叩く行為が見受けられるかと思います。
親密を嫌うのは、「深い関係になりすぎると、何かと面倒」だと思うからです。ネットやSNSで親密すぎる男女や家族が起こした事件を見聞きして育ってきたため、過剰な親密さにリスクを感じる世代といえます。
厳密を嫌うのは、「エモい」「チル」という言葉が流行っているように、「なんとなくグッとくる」というような曖昧な感覚や関係性を求める傾向からも分かります。
デートのスタイルや恋人関係においては、従来のステレオタイプを打破し、個々の価値観に合ったスタイルを模索する傾向が見られます。デート代も男が支払うのではなく、「同じ場所で同じ時間を共有した以上、割り勘にすべき」と考える世代です。
Z世代は伝統的なジェンダー観に縛られずにパートナーシップを築くことを大切にしていますが、上で述べた一連のリスク要因を踏まえると、「恋愛はコスパに合わない」「恋愛は必需品ではなく嗜好品」というのがZ世代の率直な思いだといえます。
家族観
Z世代の家族観は、共感と理解を重視する傾向があります。家族とのコミュニケーションを通じて自己表現や意見交換を行うことを大切にし、家庭内での協力や助け合いが彼らの価値観の一部となっています。コロナ禍による制限や不安を経験したことから、家族の大切さを再認識したZ世代も多いです。
若者の6割以上が「地元志向」で地元に留まることを希望しています。子どものころからなんでも揃う郊外ショッピングモールが身近にあったことで都会への憧れが弱いことや、親世代の所得が伸び悩んでおり、都会で一人暮らしする金銭的な余裕が乏しいことがその要因といえます。
Z世代は生まれてからほぼずっと不況下を生きてきました。国も会社も自分を守ってくれないのは知っているからこそ、親を「最後の砦」として頼りにしています。親とのつながりは良好に保っているZ世代が多く、むしろ親の方が過保護になっているケースもあります。
労働観
Z世代は、男女とも仕事と結婚・出産(育児)の両立は当然と考える世代であり、ワークライフバランスを重視する傾向があります。
働き方に関しては、自己実現や成長の機会を重要視し、単なる給与だけでなく、自分のスキルや興味に合った仕事を選ぶ姿勢が見られます。
また、柔軟な働き方やリモートワークを受け入れる姿勢が顕著であり、伝統的な職業観にとらわれない視点を持っています。VUCAワールドやコロナ禍で高まった将来不安から、副業や人脈形成、周囲とのつながりを重視し、起業志向が強い世代といえます。
コンプライアンス意識が強い世代のため、権利を主張する一方で、過分・不当な恩恵は拒否する志向が強いです。雇用者側は透明性・公平性を意識したマネジメントが重要といえます。
Z世代の従業員の士気を高めるには、従業員が歓迎され、大切にされ、価値を認められていると感じられるようにすることや、従業員と人と人のつながりを築けるようにすることが重要です。
消費観
Z世代は、ダイバーシティやインクルージョン、社会正義を消費行動の決め手としています。環境への配慮や倫理的な製品選択が重要視され、長期的な価値や品質を重視する傾向があります。Z世代は「コスパ」を重視しますが、単に価格と購入後の使用感だけでなく、社会や他者への影響も含めた「ワイドなコスパ」を考慮しているのです。
また、インフルエンサーやSNSの情報に影響を受けることも多く、多様な情報源からの情報収集が行われています。消費意思決定を左右する最大の要因は、友人や家族のような個人的なインフルエンサーだという調査結果も出ています。
旅行やフェス、各種イベントなど、完全な「モノよりコト」志向で、「物欲」よりも「コミュ欲」を求める世代です。「インスタ映え」も、SNSへの投稿を通じて友人とのコミュニケーション欲求を満たすための消費行動として捉えることができます。
幼少期から親に動画を撮られるのが当たり前だったため、動画を撮ることに抵抗が少ない世代です。また、何かを学習する際も動画で理解したがる傾向にあります。
生まれてからの不況で貯蓄・投資志向が強い世代です。家計簿をつけたり、マネーリテラシーの習得に意欲的と、「自助努力でなんとかする」という意識が高いです。
まとめ
Z世代の世代観は、デジタル技術の進化や社会の変化と共に進化しています。友人観、恋愛観、家族観、労働観、消費観など、彼らの特徴的な世代観は、前の世代とは一線を画すものがあります。
これらの特徴を理解することで、Z世代とのコミュニケーションや共感がより深まるとともに、効果的なマーケティングが行えるものと思います。
参考資料