問題と課題の違いについて
はじめに
日常生活やビジネスにおいて「問題」と「課題」という言葉はよく耳にしますが、その微妙な違いを理解することは効果的な問題解決に繋がる大切なスキルです。
中小企業診断士の二次試験でも、事例企業の「問題」や「課題」が問われることがあり、その違いを正しく認識しておくことは試験対策上も重要であるといえます。
この記事では、「問題」と「課題」の違いについてまとめてみたいと思います。
「問題」とは
「問題」とは、現状と理想(あるべき姿)との差(ギャップ)そのものを指します。理想を実現するために、解決しなければならない事柄です。
例えば、「売上高が目標よりも10%少ない」ということは問題といえます。
「課題」とは
「課題」とは、現状と理想(あるべき姿)との差(ギャップ)を埋めるためにやるべきことを指します。問題を解決するために起こす具体的なアクションです。
上の例でいえば、「売上高が目標よりも10%少ない」という問題を解決するために、「得意先への営業を強化する」といったアクションが課題といえます。
両者の違い
両者の違いを図で示すと以下のとおりとなります。
実際のビジネス現場では、問題と課題を混同して使用することが少なくありません。しかし、違いを正しく理解することで、より効果的なアクションプランを立てることが可能です。問題と課題を混同していると、次のような弊害も発生してしまいます。
- 課題として問題を設定してしまうケース
本来の課題が「問題」に置き換わることで、具体的なアクションプランが欠如してしまう可能性があります。 - 問題として課題を設定してしまうケース
本来の問題が「課題」として捉えられ、本来の問題を見極める前に解像度の低いアクションプランが設定されてしまう可能性があります。
まとめ
今回は「問題」と「課題」の違いについて整理してみました。
細かな違いに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、両者の違いを理解し、適切なアプローチで取り組むことが個人や組織の成功につながると思います。ぜひ日頃から意識してみてください。