令和2年度 中小企業診断士二次試験 再現答案

中小企業診断士

事例Ⅰ~Ⅳまでの再現答案を掲載します。
開示請求による結果は以下のとおりA/A/A/A で合格でした。

事例Ⅰ:65点
事例Ⅱ:62点
事例Ⅲ:63点
事例Ⅳ:63点
合 計:253点

事例Ⅰ

第1問(設問1)
経営ビジョンは①日本の文化や伝統に憧れる来訪者に②酒造、レストラン、土産物販売を通じて江戸時代から続く老舗ブランドを提供するとともに③雇用を創出することで地域の活性化を図ることである。

第1問(設問2)
理由は①前経営者やベテラン蔵人から酒造りの知識やノウハウをA社長に承継させ②ベテラン女性事務員から複雑な事務作業や取引先との商売を社員に承継させることで、老舗ブランドと事業を維持するためである。

第2問
手順は①ベテラン女性事務員から複雑な事務作業や取引先との商売に関する知識や経験を受け継ぎ②知識や経験を整理し③グループ化し④データベース化で一元管理し⑤共有化したことである。

第3問
直売方式の導入により収集した顧客ニーズを杜氏や蔵人に情報伝達するために、①顧客ニーズを収集するためのコミュニケーション能力や②顧客関係性を強化するための提案力を伸ばすことを求めた。

第4問
留意点は①複数の事業間の公平性を保ちながら成果主義型賃金を導入し、②多様な視点を持つ地元の学生、主婦、外国人をグループ全体で採用し③グループ間の人事交流を行う。以上により士気向上と組織の活性化を図る。

事例Ⅱ

第1問
S
健康・長寿の効能があり品質や安全性の高いハーブを栽培し、Z社との取引実績がある点。
W
Z社との取引に事業を依存し、Z社とのハーブの取引量が徐々に減少している点。
O
ヘルスケア市場が拡大傾向で、ハーブが島の顔として認知されつつある点。
T
若者層の人口流出や雇用機会不足、人工の高齢化で島の活力が低下している点。

第2問
ヘルスケアに関心の高い高齢者をターゲットとし、Z社との取引実績を活かして安眠系サプリメントで引き合いのある複数のヘルスケアメーカーと取引を開始することで取引先を分散し、Z社への依存度を下げる。

第3問(設問1)
OEM企業に生産委託した自社ブランドの新製品を、成人女性層の既存市場に投入する新製品開発戦略である。

第3問(設問2)
自社サイトでの購入者に対し、サイトやSNS上で利用の感想や要望をアンケートし、それに対するコメントを行い双方向でのコミュニケーションを行うことで、顧客関係性を強化し関与度を高めニーズを収集する。

第4問
①一面に広がるハーブ畑でのハーブ収穫体験プログラム②ハーブ工場見学とオリジナルブレンド作成体験プログラムを立案し、B社の高い品質と安全性や島の魅力を参加者に訴求し、固定客化と島の活性化を図る。

事例Ⅲ

第1問
S
①溶接・研磨の高い技術力②設計技術者を確保し設計から製作、据付まで受注できる体制。
W
①納期管理体制が不十分で納期遅延が生じ②作業チームの技術力に差がある点。

第2問(設問1)
問題点
①仕様変更や図面変更により製作前プロセスに時間を要し②最終検査時も修正や手直しが生じ③摺合わせに時間を要する点。
対応策
①製作図や施工図の作成精度を向上させる②製造部と連携強化し、顧客やデザイナーと連携強化し、事前に綿密な摺合わせを行う。

第2問(設問2)
問題点
①作業チームの技術力に差があるため振り分けに難易度を考慮する必要があり②打ち合わせやモノの移動が多く作業者の稼働率が低い。
対応策
①作業チームを再編成し技術力の平準化を図り②OJTによる教育で作業者の技術力向上を図り③SLPを実施しレイアウトを見直す。

第3問
①工程順序や工数見積もりを標準化し基準を定め②生産計画を月次から週次に短サイクル化する。その上で③営業部の受注情報、設計担当者の製品仕様情報、生産計画情報、生産統制情報をデータベース化し一元管理し、④全社で共有化することで、納期遅延を防ぐ。

第4問
都市型建築の増加を機会ととらえ、強みである溶接・研磨の高い技術力を生かし顧客が要求する特殊加工や仕上げ品質を充足し、営業部の人員増強により設計技術と営業力を強化することで高付加価値化による差別化を図り、事業拡大を狙う。

事例Ⅳ

第1問(設問1)
優れている
棚卸資産回転率 3.91回
劣っている
売上高営業利益率 2.15%
自己資本比率 15.82%

第1問(設問2)
販売用不動産の効率性は高いが、丁寧な顧客対応により費用負担が重く飲食事業が不採算で収益性低く、借入依存体質で安全性も低い。

第2問(設問1)
売上高70百万円の限界利益=70×(1-39/60)=24.5(百万円)
損益分岐点売上高=70+(28-24.5)÷(1-0.6)=78.75(百万円)
78.75百万円

第2問(設問2)
広告の場合
正味現在価値は、
0.7×(35×(0.926+0.857+0.794+0.735+0.681)+24×0.681-5×(0.926+0.857+0.794+0.735))+0.3×(-5×(0.926+0.857+0.794)+28×0.794-5×(0.926+0.857))-5= ※時間切れ
投資の場合
正味現在価値は、
0.4×(25/2×0.926+25×(0.857+0.794+0.735+0.681)+27×0.681)+0.6×(15/2×0.926+15×(0.857+0.794+0.735+0.681)+27×0.681)-30=55.457
55.46
最適な意思決定

第3問(設問1)
純資産額150百万円と買収価格50百万円の差異100百万円をのれんとして資産計上する。

第3問(設問2)
E社の当期純損失が16百万円とマイナスのため、企業価値を算出し買収価格が適正かどうか検証するよう助言する。

第4問(設問1)
戸建 4.31%
全体 2.55%

第4問(設問2)
4.26%

第4問(設問3)
問題点
借入による支払利息の増加を考慮していない。
改善策
経常利益ベースでROIを算出する。