【完全独学】中小企業診断士試験の勉強法(二次試験・合格編)
「中小企業診断士試験の勉強法(一次試験編)」、「中小企業診断士試験の勉強法(二次試験・不合格編)」に続き、今回は「中小企業診断士試験の勉強法(二次試験・合格編)」です。
二次試験の1年目は不合格でしたが、2年目は無事合格することができました。
この記事では2年目の勉強方法について紹介したいと思います。
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不合格の反省点と対策
前回の記事のとおり、1年目不合格の反省点を次の3つと考えました。
①情報収集がおろそかだった
②勉強の絶対量が不足していた
③ふぞろい採点を目的化していた
そこで、それぞれの反省点について対策を考えました。
①情報収集がおろそかだった
独学ゆえに自ら積極的に情報収集を行う必要があると考え、以下の診断士試験ブログを過去投稿記事も含めて読み漁りました。
受験期間は上記ブログをチェックするのがルーチン化していましたが、当然ながら良記事もあれば微妙な記事もあり、全てを鵜呑みにせず情報の取捨選択・見極めが重要だと感じました。
②勉強の絶対量が不足していた
1年目の勉強の絶対量が不足していたことで生じた問題については、次のとおり対策を立てました。
・過去問⇒3回転を目標に設定
・80分の使い方⇒まとめシート流をベースに解法スタイルを確立
・一次試験の理論や知識⇒TBCの抽象化ブロックシートを活用
③ふぞろい採点を目的化していた
ふぞろい採点を目的化してしまったことの対策として、複数の参考書を使用した解説の読み比べを過去問採点時の必須事項としました。
使用教材
①「まとめシート」流!ゼロから始める2次対策
②「まとめシート」流! 解法実況(事例Ⅰ~Ⅲ)
③中小企業診断士試験 一発合格: 独学では辿り着けない、予備校では教えてくれない、診断士試験の真実とノウハウ
④速修2次テキスト (TBC中小企業診断士試験シリーズ)
⑤ふぞろいな合格答案
⑥ふぞろいな答案分析
⑦ふぞろいな合格答案 10年データブック
⑧2次試験合格者の頭の中にあった全知識
⑨2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ
⑩中小企業診断士2次試験 世界一やさしい答案作成術
⑪TAC 第2次試験過去問題集
⑫30日完成!事例IV合格点突破 計算問題集
⑬事例IV(財務・会計)の全知識&全ノウハウ
Amazonの「Kindle Unlimited」を契約し読みました。2次試験のベースとなる考え方や基本のフレームワーク(「さちのひもけぶかいねこ」や「ダナドコ」など)がまとめられています。個人的には、設問解釈時の「レイヤー」という観点が非常に参考になりました。
こちらも「Kindle Unlimited」で読めます。年度ごとの事例Ⅰ~Ⅲの解法について、80分の現実的な使い方が解説されています。現在発行されているのは、令和4年度~平成30年度、平成28年度~平成24年度の10年分です。平成29年度分は③の「中小企業診断士試験 一発合格: 独学では辿り着けない、予備校では教えてくれない、診断士試験の真実とノウハウ」に掲載されています。
③中小企業診断士試験 一発合格: 独学では辿り着けない、予備校では教えてくれない、診断士試験の真実とノウハウ
こちらも「Kindle Unlimited」で読めます。「まとめシート」の著者が所属していた「一発合格道場」の9代目のメンバーが執筆した本ということらしいです。平成29年度分の解法実況が記載されているほか、参考になる部分が多く、一読をおススメします。
診断士の予備校であるTBC受験研究会のテキストです。YouTubeの無料動画による講義もさることながら、後半の「抽象化ブロックシート」が知識面の強化で非常に役立ちました。
おなじみの「ふぞろいな合格答案」シリーズです。自己採点時に使用しました。
知識面や二次試験の解法について記載されています。一年目の二次試験受験時にはメインで活用しましたが、知識面では「④速修2次テキスト (TBC中小企業診断士試験シリーズ)」、ノウハウ面では「①「まとめシート」流!ゼロから始める2次対策」をメインに切り替えたため、二年目はあまり活用しませんでした。
かなり古い本で現在ではプレミア価格で取引されています。2次試験の考え方・解き方や、平成22年度~平成20年度の過去問の解説が記載されています。2次試験について何も知らない方の導入本としては分かりやすく適していると思いますが、最近の出題傾向・採点基準とはズレてきているため、この本だけを鵜呑みにしてしまうのは危険だと感じました。古い年度の解説が載っているのは貴重です。
大手予備校TACの過去問解説書です。解説の読み比べで使用しました。予備校の模範解答は80分の制約下では真似できないため参考にせず、解説部分をセカンドオピニオンとして読み比べるという使い方をしました。
事例Ⅳ対策で購入しました。「⑫30日完成!事例IV合格点突破 計算問題集」は基本的な問題が網羅的に記載されており、「⑬事例IV(財務・会計)の全知識&全ノウハウ」は過去問が記載されています。「⑬事例IV(財務・会計)の全知識&全ノウハウ」の解説には疑義がある(NPVの計算方法)ものの、概して役に立つ内容だと感じました。特に、第一問で必ず問われる経営分析については「⑬事例IV(財務・会計)の全知識&全ノウハウ」の計算方法を本番でも採用しました。
勉強方法
2次試験の考え方・解き方
2次試験の考え方・解き方については、「①「まとめシート」流!ゼロから始める2次対策」を全面的に採用し、細かい部分は自分なりにアレンジしました。そのほか、TACやTBCなどの解法も検討しましたが、個人的に一番分かりやすく、腹落ちするのがまとめシート流の解法でした。
過去問演習
1年目同様、過去問演習を中心に行いました。80分で問題を解き、「まとめシート流! 解法実況」、「ふぞろいな合格答案」、「TAC2次過去問題集」などを使って自己採点、解説の読み比べを行いました。
以下が3回転分の自己採点結果です。(日程に余裕があったため、平成27年度だけ4回転しています。)
なお、2次試験の問題は平成24年度以降と平成23年度以前でおおまかに分けられると言われています。平成23年度以前は与件文の抜き出しで合格点をとれる出題設計であるのに対し、平成24年度以降は設問文・与件文から類推しないと合格点をとれない出題設計に変わってきていると言われています。
つまり、類推の比重が大きく、難易度が高くなってきているということです。そのため、平成24年度以降の問題を3回転することにしました。
おそらく、上記理由により「まとめシート流!解法実況」も平成24年度以降のものを発行しているのではないかと推察されます。
知識面
類推の比重が大きくなると、一次試験の理論や知識が重要となってきます。二次試験で必要となる理論や知識を固めるために、「④速修2次テキスト (TBC中小企業診断士試験シリーズ)」の後半に記載されている「抽象化ブロックシート」を活用しました。
具体的には、ブロックシートをコピー⇒裁断⇒重要箇所を目隠しして暗記カード化し、全てのシートを覚えました。あいまいなところは一次試験のテキストに戻って振り返りを行い、理論と知識を定着させました。
これを行ったことで、知識面での不安はほぼ解消されました。
事例Ⅳ対策
事例Ⅳ対策については「⑫30日完成!事例IV合格点突破 計算問題集」、「⑬事例IV(財務・会計)の全知識&全ノウハウ」で十分だと感じました。
平成19年度以前の古い過去問も確認しましたが、論点は「⑫30日完成!事例IV合格点突破 計算問題集」にほぼ全て含まれていました。
今後は、令和2年度のCVPの問題のように、形式的に解き方を暗記するのではなく、本質を理解できているかが問われてくるように感じました。
学習スケジュール
2年目の学習スケジュールは以下のとおりです。
初年度に二次試験を敗退後、診断士の勉強は全く手つかずで、勉強を再開したのが6月でした。
理由は①仕事が多忙だった、②やる気が起きなかった、③あまり早い段階から開始すると途中でだれてしまい、本番にピークを持っていけない恐れがあった、の3点です。結果としてはベストなタイミングであったように感じています。
直前期は過去問をしゃぶりつくした感があり、初見の問題に飢えていたため、MMCのHPに掲載されていた体験模試の問題をセルフ模試として活用させていただきました。
模試
模試についてはTACとMMCの模試を受験しました。結果は以下のとおりです。
TACの事例Ⅰが特に酷い点数ですが、本番と採点基準が異なるように感じたため結果についてはあまり気にしないことにしました。
よく言われていることですが、模試の意義は「80分の使い方の確認」だと思います。
その意味では、コロナの影響で会場受験が出来ず、模試の意義もあまりなかったのかもしれません。
本番
2回目の受験ということと、やることはやってきたという達成感から落ち着いて受験できました。
再現答案は帰りの電車の中で作成しました。
再現答案はそのうち掲載するかも(?)しれません。
採点サービス
再現答案をEBA、LEC、AASに送りました。結果は以下のとおりです。
予備校評価が良すぎて最初は目を疑いました。しかしながら、おかげ様で発表前に「受かってるかも」という安心感を得られた数少ない人間だと思います。ありがたいことです。
EBA
LEC
AAS
結果
開示請求による結果は以下のとおりA/A/A/A で合格でした。
事例Ⅰ:65点
事例Ⅱ:62点
事例Ⅲ:63点
事例Ⅳ:63点
合 計:253点
再現答案の予備校評価が良すぎましたが、納得の結果というところです。