平成30年度 中小企業診断士二次試験 過去問演習(3回目)解答
独学での過去問演習時の解答です。
80分間で解答し、点数はふぞろい採点です。回数は当該事例の演習回数を表しています。過去問でこれだけ書ければ本試験で合格レベル答案が作成できるということの参考になれば幸いです。
事例Ⅰ:90点
事例Ⅱ:83点
事例Ⅲ:74点
事例Ⅳ:99点
合 計:346点(ふぞろい採点)
事例Ⅰ【90点/100点】
第1問【20点/20点】
理由は①大手企業との競合を回避し②強みであるコアテクノロジーのセンサー技術を活かして製品を差別化し、③ニッチ市場に経営資源を集中させる差別化戦略を採ることで、競争優位性を確立するためである。
第2問【33点/40点】
(設問1)
理由は①社員の9割が技術者で研究開発に特化し②販売をパートナー企業に委託しているため③最終消費者との接点がなく④消費者のニーズ把握が困難のためである。
(設問2)
事業特性の違いは①以前の製品が受け身の製品開発で販売した時点で取引が完了する売切り型であるのに対し、②複写機関連製品は主体的な製品開発で消耗品の販売により継続的な取引と安定した収入が得られる点である。
第3問【17点/20点】
目的は①専門知識別から機能別に編成替えすることで専門性の発揮と規模の経済を追求し②部門長を役員が兼任することで迅速な意思決定を行い③混成チームとすることでシナジーを期待し製品領域の拡充を図ることである。
第4問【20点/20点】
施策として①定期的なジョブローテーション②外部の研究機関と連携した研修③長期的な視点での公正・公平な評価④権限移譲に取り組み、社員のモラール向上と組織活性化を図り、チャレンジ精神や独創性を維持する。
事例Ⅱ【83点/100点】
第1問【22点/25点】
顧客面は高齢化で減少傾向にある昔なじみのビジネス客が8割、インバウンド客が2割でほとんどが予約客である。競合面は駅前にチェーン系ビジネスホテルが2軒あるがB社周辺に競合他社はいない。自社面は古風な和室や和の風情がある苔むした庭園があり文化の香りに満ちた雰囲気が強みで大浴場や夕食を提供しない点が弱み。
第2問【18点/25点】
急増する和の風情を求めるインバウンド客をメインターゲットとし、①日本の朝を感じられる献立や②和の風情がある苔むした庭園、③古風な和室の写真付情報を外国語に対応させて掲載することで、新規宿泊客を獲得する。
第3問【20点/25点】
英語に堪能な従業員を通じて、インバウンド客に①写真映えするスイーツや和菓子の紹介②館内の芸術家による美術品の案内ツアー③山車引き体験ツアーを行うことで、顧客関係性を高めてクチコミを誘発する。
第4問【23点/25点】
施策として①日帰り観光客へ地域ボランティアと連携して事前予約なしでも宿泊できるチラシを配布し②祭りの見物客へ銭湯や割烹料理店と連携して割引券を配布することで、新規宿泊客を増加し収益拡大を図る。
事例Ⅲ【74点/100点】
第1問【17点/20点】
理由は①金型設計・製作部門の保有と②資格取得者の養成やOJTによる加工技術力の強化で③コスト低減ノウハウを蓄積でき、④工業団地組合で共同受注など相互扶助したため。
第2問【13点/20点】
問題点は①作業者及び成形機の待ち時間が長く②段取り時間が長いため生産効率が低い点である。改善策として①成形機1と2の加工順を入れ替え昼休みも稼働する②内段取りの外段取り化を行い段取り時間を短縮することで、生産性を向上させる。
第3問【11点/20点】
問題点は、段取り時間を考慮して決定する生産ロットサイズが受注量よりも大きく計画されるため製品在庫が過大である点。改善策として①生産ロットサイズを受注量に合わせて引き下げ②生産頻度を高めて③内段取りの外段取り化を行うことで、在庫量を適正化する。
第4問【16点/20点】
事前の整備内容は①金型に統一した識別コードを設定しデータベース化すること②金型の置き場に5Sを実施すること③使用材料の納品位置を固定化すること④SLPを実施し生産レイアウトを最適化することである。以上により効率よく金型などを使用可能にする。
第5問【17点/20点】
戦略は、工業団地の中小企業と連携し①インサート成形技術を活用した共同開発を行い、②営業部門を新設して技術交流会で提案営業を行うことで高付加価値化による差別化であり、顧客企業の工程数の短縮や納期の短縮、コスト削減を実現する。
事例Ⅳ【99点/100点】
第1問【24点/24点】
(設問1)
①自己資本比率 35.59%
②売上高営業利益率 1.20%
③有形固定資産回転率 17.08回
(設問2)
借入金が少なく安全性は高いが、労働集約型事業で販管費が多く収益性が低く、有形固定資産が多く効率性低い。
第2問【31点/31点】
(設問1)
①3.30%
WACC=179/503×8%+324/503×1%×(1-0.3)=3.297...→3.30%
②6.27百万円
要求キャッシュフロー=190×0.033=6.27(百万円)
(設問2)
(a)3.80百万円
(b)
増加キャッシュフロー=(400-395-1)×(1-0.3)+1=3.8(百万円)
(c)
増加キャッシュフロー3.80百万円は要求キャッシュフロー6.27百万円を下回るため、吸収合併によるサービス拡充は企業価値の向上につながっていない。
(設問3)
(a)1.27%
(b)
成長率をgとする
(3.8×(1+g))/(0.033-g)=190
g=0.01274...→1.27%
第3問【29点/30点】
(設問1)
①73.30%
売上高=1,503+550=2,053
変動費率=((232+33)/1,503×2,053+782/1,503×2,053×1.07)/2,053×100=73.302...→73.30%
②76百万円
固定費=438+34=472
営業利益=2,053-(1,142.932+361.972)-472=76.096→76百万円
(設問2)
固定資産への投資規模は小さく、費用構造は固定費の占める割合が小さく変動費率が高い特徴がある。
(設問3)
収益増加により当面は成長性に好影響をもたらすが、営業拠点のさらなる開設で営業レバレッジが低下し成長率は鈍化する。
第4問【15点/15点】
サービス水準低下によるクレームの発生が考えられる。方策は①協力個人事業主等の確保・育成②加盟物流業者との連携強化③サービス水準の把握・向上。