平成29年度 中小企業診断士二次試験 過去問演習(3回目)解答

中小企業診断士

独学での過去問演習時の解答です。
80分間で解答し、点数はふぞろい採点です。回数は当該事例の演習回数を表しています。過去問でこれだけ書ければ本試験で合格レベル答案が作成できるということの参考になれば幸いです。

事例Ⅰ:88点
事例Ⅱ:81点
事例Ⅲ:95点
事例Ⅳ:82点
合 計:346点(ふぞろい採点)

事例Ⅰ【88点/100点】

第1問【18点/20点】
要因は取引先からの商品の存続要望に応え商標権を取得し、商品アイテムを地元での認知度が高い主力商品だけに限定し経営資源を集中させ、商品名を会社名に冠することで他社と差別化し、競争優位性を確立した点である。

第2問【20点/20点】
特徴は①機能別組織の採用により業務の専門性が高く②正規社員が製造や営業、人事・経理等のコア業務を担当し③非正規社員が箱詰めや包装等の補助業務を担当し④製造工程の自動化により効率性が高い点である。

第3問【19点/20点】
メリットは①ハサップに準拠し②必要な機器の購入によりかつてと同じ品質や食感を確保し昔ながらの味を復活させ③製造工程の自動化により生産体制を整備することで全国市場進出のための土台を固めた点である。

第4問【13点/20点】
可能性のあるリスクは①全国市場での商品の認知度が低くブランド力を活用できないこと②新商品の開発ノウハウがなく全国市場で戦える商品を開発できないこと③自社店舗の運営ノウハウがなく首都圏出店できないこと。

第5問【18点/20点】
課題は①全国市場で戦うことのできる新商品を開発すること②ベテラン社員の定年退職により組織力が低下する中でビジョンの達成に向けて人材を確保・育成することである。対応策として①再雇用制度や中途採用などの多様な視点での採用を行い②開発部門を新設し研修やOJTによる能力開発を行い、士気向上と組織活性化を図る。

事例Ⅱ【81点/100点】

第1問【14点/20点】
(a)
強みは①丁寧な接客②副社長の裁縫、刺繍の技術③井戸端会議での潜在的顧客ニーズの収集④次期社長の保育士の勤務経験である。
(b)
競合の①大型スーパーの寝具売場は高品質商品が少なく従業員がほとんどおらず十分な説明もできず②百貨店は品揃えが悪い状況。

第2問【21点/25点】
施策としてリピーターであるシルバー世代の重要顧客向けに①購買履歴や好みのデータを活用して品揃えを厳選し、②住所のデータを活用して個別に開催案内のDMを送付することで、予約会当日の来店客数と買上点数を増加させ、売上向上を図る。

第3問【29点/30点】
施策として①シルバー世代が介護のための改装を行う際に中小建設業から紹介してもらい介護ベッドを販売し顧客との接点を作り、②購買間隔の短いこだわりの日用品の訪問販売を行うことで継続的な接点を作り、顧客関係性の強化により顧客生涯価値を高める。

第4問【17点/25点】
全国と比較して構成比の高い30代の子育て世代で、こだわりの高品質な商品を求める層をターゲットとし、施策として①裁縫、刺繍の技術を生かした手作りカバン教室の開催と②保育士の勤務経験を生かした入園準備のアドバイスを行い、固定客化と地域活性化を図る。

事例Ⅲ【95点/100点】

第1問【30点/30点】
課題は①作業者間の連携強化と②材料調達から部品加工、組み立てまでの一貫生産体制の確立である。対応策として①全社的な生産計画を立案し②機械加工班のロットサイズを適正化し③多能工化により作業者間の連携を強化し④生産統制の徹底と外注管理を行うことで、納期を遵守する。

第2問【16点/20点】
課題は情報共有の促進と作業者の多能工化を図ることである。対応策として①各機械の操作方法や加工方法に関する技術情報をデータベース化し②作業の標準化・マニュアル化を進め③OJTによる教育を行い多能工化を図ることで、生産性を向上させる。

第3問【19点/20点】
ホームページの活用方法は①CNC木工加工機の実演動画の掲載②FAQコーナーの設置により加工精度や操作性、メンテナンスの容易性を訴求し、③問い合わせフォームの設置により潜在顧客を獲得する。社内対応策は①営業部門を新設し問い合わせに対応できる体制を整備し②検査部門を設置し設計担当者が設計に専念できる体制を整備し受注獲得する。

第4問【30点/30点】
①製品面でホームページや展示会で潜在顧客のニーズを収集し改良や新機種の開発を進めて加工精度や汎用性、操作性を高め、②サービス面では強みのITの技能を活用したプログラムの提供やアフターメンテナンスを行い高付加価値化を図ることで、収益を拡大する。

事例Ⅳ【82点/100点】

第1問【23点/25点】
(設問1)
①売上高総利益率 12.70%
②自己資本比率 13.97%
③棚卸資産回転率 22.95回
(設問2)
製品の効率性は高いが、加工コストが高く収益性が低く、純資産が少なく安全性も低い。

第2問【14点/18点】
(設問1)
売上高 3,789
売上原価 3,310
売上総利益 569
販売費及び一般管理費 270
営業利益 299
(設問2)
△244百万円
(設問3)
再来年度以降の予想営業利益 250百万円
最低売電単価 26円/kWh

第3問【20点/29点】
(設問1)
第X1年度末における差額キャッシュフローの計算
税引前利益の差額 30
税金支出の差額 9
税引後利益の差額 21
非現金支出項目の差額 40
第X1年度末における差額キャッシュフロー 61
各年度の差額キャッシュフロー
第X1年度末初め △210
第X1年度末 61
第X2年度末 58
第X3年度末 58
第X4年度末 58
第X5年度末 58
(設問2)
安全性:回収期間法 3.57年
収益性:正味現在価値法 30.62百万円
判断:採用する

第4問【25点/28点】
(設問1)
親会社単体の税引前当期純利益は△24百万円と赤字である。
(設問2)
利益の増加で収益性は改善し、借入金の増加で安全性は悪化する。
(設問3)
影響は①企業文化の一体感が醸成され②子会社の経営を統制でき迅速な意思決定とシナジーが見込めるが③子会社の経営責任も生じる。